新しく採り入れられたマクロ経済スライドとは   

新しく採り入れられたマクロ経済スライドとは_a0024350_12361.jpg
年金額は通常の場合、一人あたり賃金や物価の伸びに応じて増えていきますが、
年金額の調整を行っている期間は、年金を支える力の減少や平均余命の延びを年金額の改定に反映させ、その伸びを一人あたり賃金や物価の伸びよりも抑えることとします。(この仕組みを「マクロ経済スライド」と言います。)

今までは少なくとも5年に1度行われる財政再計算期ごとに、保険料と年金額の見直しが行われました。5年ごとの改正時に賃金スライド調整をして、その間の各年に物価スライド制で調整をしてきました。年金支給額をその時々の実質価値にフィットするように
調整してくれてました。

マクロ経済スライドは賃金レベルや物価レベルで調整してきた年金支給額に年金収支環境の変化を組み入れた調整を行うため今までのスライド調整とは違って収支均衡が
目的のスライド制となっています。

マクロ経済スライドでは経済全体の総賃金(労働者一人あたり平均賃金×労働力人口)の伸び率に合わせて調整します。その要素となる数値が予想を外れると年金支給額は予定通りにはいかないことになります。
合計特殊出生率1.29は予想していた労働力人口の要素が早くも予想を下回る結果となりました。

おおむね100年の間で給付と負担の均衡を目指した年金制度改正は本当に大丈夫でしょうか。

by nukina1950 | 2004-06-23 12:37 | 年金,保険制度

<< スクラップを始めました。 通勤災害の補償枠拡大 >>