「個別労働紛争解決制度」活用広がる   

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労働相談、13%増16万件
昨年度 非正社員の増加が背景

労働者個人と企業のトラブルを、裁判に持ち込まず迅速な解決を目指す「個別労働紛争解決制度」に基づく労働相談の件数が2004年度で約16万件と前年度を13.7%上回り、過去最高を更新したことが23日、厚生労働省の調査で分かった。労働組合に頼れず個人での紛争解決を迫られるパートや派遣労働者の増加などが背景にあると同省は見ている。

同制度は01年10月に作られた。全国約300ヵ所に設けた「総合労働相談コーナー」で相談を受け付け、法律や制度の情報を提供することで自主的な紛争解決を促す。04年度の相談内容は解雇の27.1%がトップで、厳しい雇用情勢を反映。労働条件の引き下げ(16%)、いじめ・嫌がらせ(8.1%)、退職勧奨(7%)が続いた。

自主的な紛争解決が難しい場合に、弁護士など有識者で作る紛争調整委員会による斡旋を申請するケースも増えており、04年度は前年度比12.4%増の約6千件。合意が成立したのは約二千六百件、不調は二千七百件だった。申請者の約六割は正社員だが、パート・アルバイトや派遣労働者など非正社員は約三割を占め、年々増加傾向にある。

厚労省の03年の就業形態調査によると、労働者全体に占める非正社員の割合は34.6%で前回調査(1999年)より7.1ポイント上昇。労組に頼れない非正社員の増加を背景に、今後も個別労働紛争の相談件数は増えそうだ。

具体的な解決ケースでは、事業不振を理由に正社員からパートへの変更を打診され納得できずに退職した労働者が、復職か保証金の支払いを求めてあっせんを申請。あっせんの結果、会社側が和解金を支払うことで合意したという。



(2005.05.24 日経)


個別労働紛争の代理は社会保険労務士がお引き受けいたしております。

by nukina1950 | 2005-05-26 09:06 | 労働

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