興行ビザ厳格化へ   

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ダンサーや歌手が対象「人身売買」批判受け

政府は外国人の歌手やダンサー向けの「興行ビザ」の発給基準を、早ければ来年から大幅に厳しくする方針を固めた。興行ビザで入国した女性がホステスとして働き、最低賃金を大きく下回る低報酬で働かされたり、売春を強要されたりする例が相次ぎ、「人身売買の隠れみの」との批判があるためだ。

外務省によると、03年は興行ビザで約13万人が入国した。このうちフィリピン人が8万人に上り、ロシアやルーマニア、ウクライナなど東欧からも多い、80年代後半から、日本の仲介業者が在留資格申請やビザ申請を代行するようになって急増。半数以上が興行ビザでは本来就業できないホステスとして働いていると推定されている。

興行ビザの取得には、技能を証明する文書が必要とされている。フィリピン人の場合は、同国政府が発行する「芸能人認定カード」が有効な証明書とされるが、偽造カードが出回ったり、芸能人とするには十分とはいえない研修で取得できたりするなど、不透明な点があった。

このため、政府は9月、フィリッピンに人身売買調査団を派遣し、同国政府に、びざ発給にはカード以外にも証明を求める方向で検討していることを伝えた。他の国に対しても、技能や資格を厳しくチェックしていく方針だ。

政府が発給基準の強化に乗り出す背景には、米国務省報告に法整備や被害者保護が遅れている「監視対象国」と記されるなど、日本の人身売買対策について、内外から批判が高まっていることがある。すでに人身売買防止議定書の批准や、刑法の罰則強化など国内法の整備に向けて検討を進めており、発給基準強化もその一環とされている。


興行ビザ

外国人の演奏者や歌手、ダンサーらが日本で興行を行う場合に必要となる。プロスポーツ選手も対象。在留資格は最長1年間で、受け入れ先から月額20万円以上の支払いがあることを証明する必要がある。ホステスは、日本政府が受け入れを認めていない「単純労働」とみなされているため、ビザの発給対象になっていない。

by nukina1950 | 2004-10-02 10:28 | 法律

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