アホウドリ”お引越し”   

日米両国の研究者らが連携して、絶滅の恐れのある海鳥「アホウドリ」の繁殖地を新設する事業に来春から取組むことになった。
アホウドリは渡り鳥の一種で北太平洋最大の海鳥、羽毛を狙った乱獲で激減し一時は絶滅したしたと考えられていたが1951年鳥島で15羽程度再発見され保護活動が開された。鳥島は現在最大の繁殖地で約280組のつがいが確認されている。鳥島は2002年に火山噴火がありアホウドリの繁殖地が破壊される危険があると指摘され新たな繁殖地を小笠原諸島に作ることになった。
移転方法は「デコイ」と呼ぶ親鳥の模型を設置して泣き声を放送し、飛来したアホウドリを誘い込んで定着させる。

アホウドリが主役の小説を思い出した。吉村 昭氏の小説で「漂流」である。
江戸・天明年間、時化に遭って黒潮に乗ってしまった男たちは、不気味な沈黙をたもつ絶海の火山島に漂着した。水も湧かず、生活の手段とてない無人島で、仲間たちは次々と倒れていったが、土佐の船乗り長平はただ一人生き残って、12年に及ぶ苦闘の末、ついに生還する。その生存の秘密と壮絶な生きざまがこの小説のテーマだが
生存の秘密にアホウドリが関わる・・。

20年位前に読んだ本であるがアホウドリの名前を聞くと思い出す。感動の一冊である。



日経新聞2004.0705関連記事

by nukina1950 | 2004-07-07 16:43 | アラカルト

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