東京地検 裁判員制へ担当部   

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10月新設 精通の検事を養成

09年までに導入される「裁判員制度」で裁判員を務める市民に法定で事件についてよく、理解してもらうため、検察庁は制度に精通し、プレゼンテーション能力の高い検察官の養成に乗り出す。東京地検が10月、全国で初めて専門の担当部を創設する。新設の部では捜査から公判までを一貫して担当し、それぞれの事件をよく知る検察官が裁判員制度を想定した実務経験を積み重ねて、将来は全国に赴任する。制度導入に向けた初の大規模な組織改編で、検察庁として準備に本腰を入れる。

裁判員制度の導入を前に、今秋には、裁判が始まる前に検察・弁護双方が証拠を開示し、何が争いになっているのかポイントを絞り込む「公判前整理手続き」が始まることから、検察庁は組織として対応を急いでいる。

東京地検には特別捜査部、特別公判部、刑事部、公安部、総務部、交通部、公判部がある。このうち、主に捜査部が起訴した事件の裁判を担当する特別公判部を廃止。これらの公判は特捜部または公判部が担当する。

代わりに新設される部は十数人の検事でスタート。東京地検で、殺人など裁判員制度の対象となる重大事件は年間約250件とされるが、新しい部はこのうち強盗殺人などの主要な事件について警察の捜査段階から指揮をとり、起訴、公判まで一貫して担当するのがポイントだ。

捜査の状況を自ら詳しく把握している検察官らが、一部の刑事裁判で行われる集中審理や、11月に始まる公判前整理手続に対応する中で、新制度導入に向けての問題点などを洗い出す。さらに、どんな立証方法が新たに可能で、利点があるのか、多くの事例をもとにして具体的に検討する。将来は30~40人の検事を所属させる。

裁判員制度では、裁判員らが法廷で見聞きして事件を理解できるようにしなければならない。さらに、裁判の日数を数日間程度に短縮する必要もある。スピードアップを図るため、検察側の論告求刑は証拠調べ終了後、速やかに行うことが求められるなど、これまでとは抜本的にやり方が変わる。検察官には被告などの取調べ状況を客観的にわかりやすく示すことも要求される。


(2005.0721 朝日)

by nukina1950 | 2005-08-02 08:20 | 法律

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