坑内労働を解禁へ 女性保護の就業制限これで全廃   

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労働基準法改正 厚労省方針
安全対策が進歩

「女性が坑内に入ると山の神が怒り出す」という迷信も今や昔―。60年近く禁止されてきた女性によるトンネル工事などの坑内労働が解禁される見通しとなった。厚生労働省の専門家会合が近く、解禁を提言する報告書をまとめる。作業環境が改善され、女性技術者が増えたためで、同省は、早ければ来春の通常国会にも労働基準法改正案を提出する。これで、「女性保護」を目的とした就業制限はなくなることになる。(斉藤泰生)

戦後間もない47年施行の労働基準法では、「満18歳以上の女性を坑内で労働させてはならない」と規定している。炭鉱などの劣悪な労働環境から女性を保護するとの理由からだった。

その後、86年の男女雇用機会均等法施行に伴い、メディアの取材、坑内事故での医師や看護師、鉱物資源の研究など「臨時の業務」に限り、労基法の例外規定として認められた。一方で、日本経団連や東京都からは、女性技術者が現場経験をつむことができず、均等法の精神にも反すると、労基法改正を求める要望書が出ていた。例えば、東京都の技術系女性職員は00年4月の703人から04年4月には727人に増加。東京都雇用就業部は「トンネル内の監督業務に就けないなど支障が出ていた」という。

7日にもまとめられる専門家会合の報告書では、坑内の温度管理や粉塵対策が進み、施工技術が進歩した現在では、「女性の就労を一律に排除しなければならない事情は乏しくなってきている」と解禁を提言する。

厚労省は夏から労使と学識経験者で構成する雇用均等分科会を開く。解禁する労働者を技術者に限るか一般作業員も含むのかや、対象をトンネル、鉱山、地下鉄などどの範囲まで広げるかを議論する。早ければ07年4月に施行される見通し。

女性の就業制限の見直しは、99年の改正労基法施行で、深夜業や時間外が解禁されて以来。女性全般への保護規定はなくなり、妊産婦に対する重量物取り扱いなどの禁止を残すのみとなる。

発足して22年の「土木技術者女性の会」(会員約200人)はこの動きを歓迎。会員の約1割はトンネル工事に携わっているが、現場監督の業務を外されたり、研修の見学会で中には入れなかったりしてきたという。佐藤厚子会長は「均等法施行時に土木分野の女性採用も進んだが現場では壁があった。就業機会が広がることは喜ばしい」と話す。


(2005.0607 朝日)

by nukina1950 | 2005-06-12 12:13 | 労働

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